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― しっかり解説 ―

声優とは
声優とは、アニメのキャラクターの「声」を担当する仕事です。
他にも海外映画やドラマの日本語吹き替えやナレーション、ゲームのキャラクターの声を担当していたり、また、最近では、歌手やラジオパーソナリティ、アナウンスなどといった仕事まで、幅広い分野で活躍しています。
声優の仕事
昔は、声優が表舞台に出てくることはほとんどなく、その姿を目にする機会はほとんどありませんでした。しかし、最近は、声優の認知度が非常に上がってきています。
声優をメインとしたイベントを開催したり、トークショーなどが開かれたりするようになってきています。
また、インターネットの普及から急速にWebに活躍の場が広がっていて、YouTubeで独自のチャンネルを開設して活躍している声優もいます。
近年、大きく変貌している声優業界ですが、主だった仕事としては以下があります。
アニメーションのアフレコ
声優の仕事として一番メジャーなアニメーションのキャラクターに声を吹き込む仕事です。この、アニメに声を吹き込む作業のことを「アフレコ(※1)」もしくは「アテレコ」といいます。ドラえもんやルパン三世などのように声優のイメージがキャラクターのイメージに直結することも少なくありません。
※1.キャラクターに「声をあてる」ことから「アテレコ」と呼ばれるようになったようです。現在では、「アフレコ」の方が一般的になっています。
ゲームやスマートフォンアプリのキャラクターボイス
スマートフォンの普及により急速に需要が拡大している分野として、ゲームやアプリに登場するキャラクターの声に対してのアフレコがあります。ゲームやアプリの数もどんどん増えており、今後も伸びが期待できる分野です。
海外の映画やドラマの吹き替え
アニメと並んで声優が多く活躍しているのが、外国で作られた映画やドラマなどの日本語吹き替え版を作るための仕事です。Netflixなど動画配信サイトの普及もあり、ハリウッド映画だけではなく、近年は韓国ドラマやヨーロッパの映画など、この分野での需要は高まっています。
テレビ番組やCMなどのナレーション
声優のその他の仕事として、TV番組やCMなどのナレーション(※2)の仕事があります。
ドキュメンタリー番組やTVCMといった、TV番組のナレーション以外にも、ビデオ教材や店内放送、観光案内などさまざまな種類があります。また、最近ではYouTubeのナレーションや、動画広告のナレーションの仕事も増えています。
※2. ナレーション(英語: narration)とは映画や演劇などで冒頭で物語を語ることを言います。
そのほか、テレビや舞台などで芸能活動をする声優もいれば、ラジオのパーソナリティ、音楽活動をする声優などその仕事の幅はさまざまです。
また、声優の仕事の流れは以下のようになります。
(1)台本を読む
(2)スタジオ入り
(3)打ち合わせ
(4)マイクテスト
(5)本番収録
(6)ガヤ(※3)の収録
(7)終了
※3.ガヤとは、群衆や雑踏の話声などのことです。
また、声優の仕事というのは、決まった勤務先があるわけではなく録音スタジオと呼ばれる場所で行います。

声優になるには
声優は特別な資格が必要となる仕事ではないため、声優になるための決まったルートはありません。
しかし、声優を目指す人はほとんどの場合、声優養成所や俳優養成所に入ったり、養成コースのある専門学校に通うのが一般的です。また、芸術系の大学や短大で声優コースを設けているところもあります。
そこで腹式呼吸(※4)や発声練習、演技力や歌唱力などを磨く必要があります。
卒業後は、養成所の紹介などで劇団や声優プロダクション(※5)に所属し、さまざまなオーディションを受けながら仕事を探して行かなければなりません。
そうしたオーディションに合格できれば、プロの声優としての第一歩が踏み出せます。
しかし、声優を専業とするのがなかなか難しいため、他の仕事やアルバイトをやりながら活動している人が多い職種でもあります。
外郎売
外郎売(ういろううり)は、1718年に二代目市川團十郎によって初演された歌舞伎十八番ですが、次々と薬の効能や特徴を述べる口上には役者に必要な発声・滑舌を鍛えるための要素が満載のため、昔から教材としてよく利用されています。1,800字程度の台詞ですが、すべて暗記しているというプロの役者さんや声優さんも多いほどです。どの声優養成所でも、必ずやる課題となっています。
※4.腹式呼吸とは、一般的には胸郭をなるべく動かさずに行う呼吸のことをいいます。声楽において、声を良く出すために呼吸を工夫することを「腹式呼吸」という言葉で示すことが多いようです。
※5.声優プロダクションとは、声優の仕事を主に行っている芸能事務所で、「アニメ」「洋画吹き替え」「ナレーション」など、それぞれの事務所によって得意分野が分かれています。

声優さんとキャラクター
声優さんは多くの作品でさまざまなキャラクターを演じていますが、実は同じ声優さんだと気づかないことも多いですよね。
同じ声優さんが演じているキャラクターはものすごく多いのですが、今回はほんの一部をご紹介します。
びっくりするのがあるかな?
ピカチュウ(ポケットモンスター)と円谷光彦(名探偵コナン)|声優:大谷育江さん
ぶりぶりざえもん(クレヨンしんちゃん)とリヴァイ(進撃の巨人)|声優:神谷浩史さん
永沢君男(ちびまる子ちゃん)と目暮警部(名探偵コナン)|声優:茶風林さん
骨川スネ夫(ドラえもん)とロブ・ルッチ(ONE PIECE)|声優:関智一さん
ばいきんまん(それいけ!アンパンマン)とフリーザ(ドラゴンボール)|声優:中尾隆聖さん
ベジータ(ドラゴンボールZ)と服部平次(名探偵コナン)|声優:堀川りょうさん
夢原のぞみ/キュアドリーム(Yes!プリキュア5)とおしりたんてい(おしりたんてい)|声優:三瓶由布子さん
めいけんチーズ(それいけ!アンパンマン)と加持リョウジ(新世紀エヴァンゲリオン)|声優:山寺宏一さん
涼宮ハルヒ(涼宮ハルヒの憂鬱)とコキンちゃん(それいけ!アンパンマン)|声優:平野綾さん
越前リョーマ(テニスの王子様)とコーネリア・リ・ブリタニア(コードギアス 反逆のルルーシュ)|声優:皆川純子さん
ミレイ
声優にあこがれてるんですが、声の質って大事ですよね?
PyiQ
声質だけが重要視されるということはありません。「良い声」「悪い声」の定義もありません。本当に人それぞれです。自分では「悪い声質だな」と思っていても、他の人にとっては「良い声だな」ということもあります。ですので、そこまで気にする必要はありません。
PyiQ
さまざまなシーンを演じるということでは、感受性が豊かな人が声優に向いているといえるのではないでしょうか。 また、大勢のスタッフと協力して、一つの作品を仕上げていきますので、コミュニケーション能力も必要ですね。
ココナ
声優さんが受けるオーディションの倍率ってどんなものなのでしょうか?
PyiQ
一般的に、大手声優養成所の合格率は3~5倍程度と言われているようです。第一線で活躍できるのはほんの一握りの声優で、やはり、声優への道のりは狭き門と言えるでしょう。