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― しっかり解説 ―

政治家秘書とは
県議会議員などの地方政治家から国会議員のように国の政策に関わる政治家など、職業として政治に携わっている人を政治家と言い、これらの政治家を支えるのが政治家秘書です。
政治家秘書はあくまで政治家のサポート役なので、細かい気遣いができる人、スケジュール管理に長けている人、政治の裏も表も知った上で様々な事情を胸の内に秘めることができるような慎み深い人などが向いています。
政治の世界を一番間近で見ることができるので、政治家秘書を足がかりに政治家を目指す人も多くいます。
政治家秘書の仕事
政治家秘書は、公設秘書、政策担当秘書、私設秘書と分かれており、それぞれで仕事の役割も異なります。
公設秘書(国会議員1人あたり2名までつけることができる)
公設秘書は国会法という法律に基づいて国費によって雇用することが出来る秘書のことです。
公設秘書は2人いるので「公設第一秘書」「公設第二秘書」と呼ばれます。
国会議員の国会での活動に合わせた仕事が主な業務です。
例えば、政策の研究・立案、法案に関する委員会質問案の作成や所属する政党の活動の手助けなどを行います。
政策担当秘書(国会議員1人あたり1名までつけることができる)
政策担当秘書も国会法という法律に基づいて国費によって雇用することができる秘書のことで、国会議員政策担当秘書の資格試験に合格するか、選考採用審査認定を受けた人が政策担当秘書になることができます。
政策をより専門的な立場から補佐する役割を担います。
そのため分析や調査、資料作成などのような専門的なことから国会議員のスケジュール管理や事務処理など業務内容も幅広いのが特徴です。
私設秘書(人数に制限はありません)
私設秘書は、議員が自らのお金で雇った秘書で、費用は議員が個人的に採用するので人数制限などもありません。
公設秘書は常に議員と行動を共にしていることが多いのですが、私設秘書は地方での業務を行うことが一般的なようです。
地方で働く私設秘書は選挙区の地盤固めの活動が主な業務で、地域の行事やイベントに政治家の代理で出席し、後援会活動や選挙活動の重要な存在です。選挙の際には候補者と一緒に各地をまわり、地元の有権者の声に耳を傾けることも大事な業務の1つです。

政治家秘書になるには
公設秘書
公設第一秘書、公設第二秘書になるには、特別な資格は不要です。
議員事務所も求人情報を出しているので、求人情報から応募するという方法や後援会関係者から声をかけてもらうなど、紹介経由で秘書になる方法もあります。
政策担当秘書
政策担当秘書になるには、政策担当秘書資格試験に合格するか、選考採用審査認定を受ける必要があります。
政策担当資格試験は毎年実施されていますが、その難易度は司法試験並みの狭き門で、合格率は4~5%程度となっています。
なお、受験資格は4年制大学卒(見込含む)または試験委員会がそれと同等以上の学力があると認められる65歳までの人です。
この試験に合格すると政策担当秘書に採用される資格を得ることができます。
また、政策担当秘書試験に合格しなくても、医師や公認会計士などの高度試験合格者であるなどの条件を満たしていて、議員が申請すれば「選考採用審査認定」を受け、政策担当秘書になることができます。
「政策担当秘書資格試験」が難関の国家試験であることから、実際に政策担当秘書として働いている人の9割は公設秘書として10年間働いたうえで研修を受けて公設秘書から政策担当秘書に移行していく人がほとんどのようです。
私設秘書
私設秘書になるためには、公設第一・第二秘書と同じく、特別な資格は必要ありません。
公設第一・第二秘書同様に、採用方法は議員事務所による求人応募のほか、知人・友人の紹介、政治活動のボランティア参加や政治塾をきっかけに声がかかる場合もあるそうです。
公設秘書や政策担当秘書は国家公務員であるため年齢制限が65歳ですが、私設秘書には年齢制限はありません。
選挙カーについて
選挙運動期間中、候補者や政党等は規定の台数の選挙カーを使用することができます。
選挙カーを利用した選挙運動というと、ウグイス嬢(車上運動員)が候補者の名前を連呼する姿を見たことがあるのではないでしょうか。候補者の名前を何度も連呼してうるさいと思う人もあるかもしれませんが、選挙カーでの名前の連呼に集票効果があるという社会心理学の調査論文もあるそうで、選挙カーは有効だとされています。
選挙カーの使用については、公職選挙法施行令で細かく規定が定められています。
台数:選挙カーは、基本的に候補者一人について1台使用できます。参議院議員選挙の比例代表選出の場合のみ選挙カーを2台使用できます。
乗車人数:候補者、運転手、車上運動員など(4人まで)で、合計6人が乗車可能です。
看板:選挙カーに取り付ける看板の大きさは、73cm×273cm以内と定められています。
期間:選挙カーを使えるのは、公(告)示日に立候補届が受理されてから、投票日の前日までです。
時間:選挙カーを使用した連呼行為は午前8時から午後8時まで可能です。
PyiQ
頭が良くてしっかりしているというのはもちろん、細かな気遣いができ献身的にサポートできる縁の下の力持ちが向いています。
また外国語に堪能でコミュニケーション能力が高い人も向いています。
PyiQ
基本的に政治家のスケジュールに合わせて勤務時間が決まります。勤務時間や休日は政治家と相談して決まりますが、政治家の活動は世間が休みの時が多く、規則正しい働き方を求める人には向いていないかもしれません。
PyiQ
確かに東京大学や有名私立大学出身の人も多いですが、中には最終学歴が高校卒業の人もいます。政治家秘書に学歴は必須ではありませんが、幅広い知識が必要とされています。
PyiQ
政治家秘書全体の7〜8割を男性が占めていますが、近年は、少しずつ、女性の公設秘書も増えてきているようです。